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2005/07/19

Niftyは何故にNTPサーバを提供しないのか?

NTPサービスというのは、時間合わせを行うためのサービスの事を言う。簡単に言うと、定期的に「今何時?」とNTPサーバに問い合わせて、返答された時間情報を自身の時計に設定するサービスだ。

さて、日本国内で早くから、このNTPサイトを立ち上げていたのが福岡大学だった。ところが、この福岡大ホストにトラフィックが集中し悲鳴を上げている。なんと1秒間に900件ものアクセスが発生したというのだ。

本来、NTPは、こういったアクセス集中を防ぐためにサーバを階層構造にするという機構を持っている。つまり、正確な時計を持つNTPサーバを最上階層として、この最上階層のサーバにアクセスして時間を合わせる(複数の)第2階層NTPサーバがあり、この第2階層NTPサーバにアクセスして…と何段にもNTPサーバを設置し、末端のクライアントは最寄り(ネットワーク的に近い)の第n階層NTPサーバにアクセスするようにして、多くのクライアントのアクセスが、一つのサーバに集中しないようにしているのだ。

今回の件は、こうした階層が未整備だった事もあり、最上階層の福岡大サーバに、多くのクライアントが直接接続しようとして発生したという事になる。こうなれば、当然サーバは負荷が大きくなり、場合によってはダウンする可能性もある。また、応答時間も延びていくだろうから、正確な時間設定も出来なくなる可能性が高い。福岡大は、そもそも大学である。言わばボランティアに近いNTPトラフィックで通信回線の空き帯域が無くなり、それ以外の通信が圧迫されて、本来の教育に支障が出るとなれば大問題である。

このような事態を避けるため、第2階層以下のNTPサーバが多く稼働し始め、多くのISPでも、NTPサーバが使えるようになった。ドメイン内のクライアントの時間合わせは、そのドメインのNTPサーバで行い、ドメインのNTPサーバが上位階層のNTPサーバにアクセスするというのは自然な考えであり、特定サーバへの集中も避けられる。NTPプロトコルの設計時の意図に合致する方法だろう。

ところが、NiftyはNTPサーバを持っていない。また持つ気もないようだ。確かに、サーバを設置すれば、今度は、そのサーバにアクセス集中が発生するかもしれない。しかし、これは前記の階層を作れば解決できる。現に、他のプロバイダは複数のNTPサーバを公開しており、それで十分に対応できている。

ISP(Internet Service Provider)とは、「インターネットのサービスを提供する者」という意味である。インターネットはwebやメールだけでは無い。NTPも立派な「インターネット・サービス」ではないだろうか?

Niftyは、「想像力の欠如」に陥っていないだろうか? 自社のサーバにアクセスが集中したとすれば、「他山の石」と知らん顔は出来なかっただろう。ましてや、福岡大サーバにアクセスした多くのクライアントはNifty経由だっただろう事は、容易に想像がつく。まったく無関係だとは言い切れないのだ。

少なくとも、問題を認識して対処した他のプロバイダと比べれば、「無責任で鈍重」という日本に蔓延する病に感染していると思われても仕方がないようにも思う。

日本の最有力ISPを自負されるのなら、もう少しフットワークを軽くし、「想像力」を働かせてほしい。もう一度言うが、ISPは「インターネットのサービスを提供する者」であって、決して「接続サービス(のみ)を提供する者」ではない。

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